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もしもの時に備える!暮らしを守る『在宅避難』が出来る家にするには?

地震大国日本では地震に備え、耐震性能の高い家づくりが重要視されています。築年数が古い家であっても、耐震リフォームを行い、耐震性能を上げているお宅も増えています。万が一大地震が起きても、耐震等級2以上の耐震性能があるお宅であれば、家の崩壊を免れ、軽微な修繕のみで暮らし続けることが出来ます。そのため、実際に被災した方の中でも、避難することなく済んだという方は少なくありません。また、親戚や友人の避難場所になったという方もいらっしゃいます。

しかし、どんなに建物が無事であっても、街が被災し、ライフラインがシャットダウンした中で、家の中で数日~数か月暮らしていくためには、建物を守るだけでは十分ではありません。被災後も暮らしを守るために、どんな家にすると良いのか、在宅避難が出来る家にするという観点から、ご説明したいと思います。

1.安全な家なら在宅避難という選択肢が増える!

万が一災害にあっても、家が問題なく安全であれば、在宅避難という選択肢があります。在宅避難とはどのようなもので、在宅避難に必要なものは何かをご紹介したいと思います。

■在宅避難とは?

地震を含め、災害時において、自宅に倒壊や破損、浸水などの危険性がない場合に、そのまま自宅で生活を送ることを『在宅避難』と言います。

在宅避難は、最寄りの避難場所ではなく、自宅で過ごせることからプライバシーが守られ、ウイルスの感染リスクやストレスの少ない避難生活を送ることが出来るというメリットがあります。また、高齢や病気、障害、小さなお子さんやペットを飼っている方など、避難場所への移動に時間がかかったり、家以外の環境に不安が多かったりする場合は、在宅避難を始めから想定して家づくりを行っておくと安心です。

避難所もすぐに物資が届くとは限りませんし、受け入れ人数に対してキャパオーバーになる場合もあるため、在宅避難出来る環境を整えておくことで、災害に備えることもできます。

耐震等級2以上の耐震性の高い家や、台風などの強風に強い家など、災害に備えた丈夫で安全な家であれば、在宅避難という避難場所の選択肢が増やせます。

■在宅避難を行うために必要なものとは?

在宅避難を行うためには、生活必需品の備蓄が必須になります。台風のように数日で通過し、外出さえしなければ問題ない場合などは数日程の備蓄で問題ないかもしれませんが、大地震が起きた時など、ライフライン(電気・ガス・水道)がシャットダウンし復興までに時間がかかる場合などは、数週間~数か月自宅での避難を余儀なくされる場合があります。しかも、避難所での物資をすぐに受け取れない場合もあり、その日数が延びれば延びるほど不安になってしまいます。

その点を踏まえると、数か月分の生活必需品を用意することは現実的に難しいとはいえ、災害時に地域防災拠点で必要物資を受け取れるようになるまでの間、10日~2週間程を目安に備蓄しておくことが勧められています。

2.在宅避難が出来る家にするには?

万が一被災しても、出来るだけストレスが溜まらない、普段の暮らしに近い環境にするために具体的にどんな点を意識して家づくりを行えば良いのか、ポイントをご紹介したいと思います。

■自然エネルギーを最大限に活用して快適に!

災害時に、ガスや電気が使えなくなるというケースは少なくありません。エアコンなどの冷暖房機器が使えない環境でも、寒い冬でも出来るだけ暖かく、暑い夏でも出来るだけ涼しく快適に暮らせるようにするには、普段から電気やガスに頼らずとも、快適に暮らせる自然エネルギーを活用した家の造りにしておくことが災害時にも役立ちます。

例えば、太陽光が入るようにして家の中を暖かく保てるようにしたり、風通しの良い間取りにしておけば、自然風が流れ涼しい家にしたりすることが出来ます。さらに、断熱性や気密性が高ければ、安定した室温を保つことが出来ます。寒い冬にガスや電気が使えない環境でも、灯油ストーブ1台で充分部屋を暖めることも出来るかもしれません。

■防災グッズを日常の暮らしや意識にとけこむようにする!

普段使っていないものを普段使っていない場所から緊急時に取り出そうと思うとパニックになってしまう方は少なくありません。また、物が溢れていてどこに必要なものがあるか分からなかったり、取り出すのに時間がかかるようでは、在宅避難でもストレスが溜まってしまったり、いざという時に活用できないままになってしまったりするかもしれません。

その問題を避けるためには、避難用持ち出しグッズなどと一緒に防災グッズを置くのではなく、災害時でも普段通りに暮らせる位置に、必需品を備蓄しておくことが重要です。

例えば、災害時のトイレ用品を防災グッズとしてまとめておくよりも、トイレの収納内にビニール袋や非常用トイレのグッズを置いておけば、いつも通りトイレに行ってすぐに準備をすることが出来ます。トイレの収納サイズを考える際には、トイレに関係する防災グッズの収納スペースも意識しておきましょう。

また、水や食料に関しても非常食の賞味期限切れを防ぐために普段の暮らしで使いながら補充していくローリンストックが勧められています。普段の食料品の備蓄兼在宅避難用の2週間分の食料品をまとめて収納し、取り出しやすくするためにパントリーを設けることが出来るかもしれません。

普段の暮らしの位置に、災害時に必要なものがあれば、普段の生活動線を崩すことなく出来る限りいつも通りの暮らし方を保つ点で効果的です。新築やリフォームなどの家づくりで収納の位置やスペースを考える際には、災害時に使うものもセットで収納することを意識しておきましょう。

3. まとめ

耐震性の高い家など、災害に備えた丈夫な家で、被災しても家に問題が無く安全であれば、在宅避難という避難場所の選択肢が広がります。しかし、どんなに家が無事でも、その後も数週間~数か月生活するための備えや、最低限の快適な空間が備わっていなければ意味がありません。在宅避難中でも、出来るだけ安心して生活を送るためには自然エネルギーを活用した家にして、外気の影響を受けないようにしたり、防災グッズを普段の暮らしで使う場所と同じ場所に収納したりすることを意識して家づくりを行うことが大切です。

命を守る丈夫な家づくりはもちろん、在宅避難が出来て、その後の暮らしも守ることが出来る家を目指しましょう。

※家が倒壊せず、生活できる環境にあっても、被災状況によっては危険な地域の場合もありますので、地方自治体の指示に従って命を守ることを優先して、指定の場所に避難しましょう。

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