リノベーションは建物を新しく作り変える他に、住む人の好みやこだわりに合わせて様々な室内環境に変えることができます。その一例として、健康志向や自然志向の方には自然素材の建築資材がお勧めです。
自然素材の建材にも様々な種類がありますが、ここでは壁材や床材に利用される代表的な自然素材についてご紹介致します。
壁のリノベーションに利用される自然素材
・珪藻土
珪藻土は植物プランクトンなどの化石や珪藻殻が、長い年月をかけて堆積された地層から取れるものです。珪藻土には目に見えない小さな無数の穴が開いており、調湿性に優れ消臭効果もある壁材として人気の高い自然素材になります。
・漆喰
主原料に石灰石が使われており、石灰石はサンゴ礁が長い年月により地殻変動などによって地質化したものです。地層の中から石灰石を取り出し、焼いて粉々にして水を加えると石灰石は消石灰になります。
消石灰になったものに糊やスサと呼ばれるつなぎを混ぜ込み、さらに水を加えて練ったものが漆喰になります。調湿性や消臭効果の他にも、不燃材として昔から壁などに塗られている自然素材の建築材料です。
床のリノベーションに利用される自然素材
・無垢材
床板に利用される無垢材は、原料になる原木から床の寸法に合わせて加工した床板になります。無垢材は床板に形を整える以外には加工していないので、使用される原木の風合いや質感をそのまま直に感じる事ができます。
また木は呼吸をしているので、部屋の湿度の高い時には湿気を吸い込み、逆に湿度が低い時には湿気を放出する調湿作用により、夏は涼しく冬は温かな空間を実現できます。同時に、木の持っている芳香成分も放出されるのでリラックス効果も期待できます。
・コルク材
コルク材は「コルクガシ」という木の樹皮を加工したものです。コルク材を使った床は柔らかく弾力性に優れ、小さな子供やお年寄りの転倒時にも大ケガになりにくい床材として人気があります。
ワインの栓にも使われているように、防水性にも優れているので水を使う部屋の床板としても有効です。他にも防音性や保湿性にも優れ、さらに滑りにくいといった特徴もあるので床板としてはメリットを多く持った自然素材の床材です。
自然素材の建材は、接着剤などの化学薬品を使って加工をしていないので、ホルムアルデヒドといった化学物質による健康被害の心配もありません。また、自然素材は時間の経過と共に色合いや風合いが変化してくるので、独特な雰囲気を出すこともできます。
リノベーションでは住人の趣味や価値観も反映できます。好みに合った自然素材を利用すれば、より満足度の高い居住空間を手に入れることもできます。