今後も長く住んでいきたい、次の世代まで住める家にしたいという思いから、リフォームやリノベーションを考える方は少なくありません。しかし、リフォームをしたわりには、不具合や問題点が多く、頻繁にリフォームをする必要があったり、リノベーションをしたのに建て替えた方が良かったのではないかと後悔したりする方もいらっしゃいます。その原因は、行ったリノベーションに問題があるのかもしれません。
家の寿命は、リノベーションを行ったかよりも、どんなリノベーションを行ったかどうかに左右されます。長く暮らせる家にするためには、どんなリノベーションを行うべきなのかをご説明したいと思います。
1.長く暮らせる家づくりをしていますか?
リフォームやリノベーションを行えば、家の寿命は延びるのではないかと思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、内容次第でその期間は変わってきます。長く暮らせる家にするリノベーションとはどのようなものなのでしょうか?
■リフォームとリノベーションは違う!
住宅設備機器や内装材には寿命があるので、長く暮らす家にするうえで定期的なリフォームは必要です。しかし、リフォームの目的は壊れた部分を修繕したり、新しいものと交換してキレイにしたりするためのもので、家づくりの視点で言うと延命措置の様な役割を果たしていることになります。
それに対してリノベーションは、家に付加的価値を設けることが目的です。設備機器であれば、修理や新しいものに交換するのではなく、耐久性や機能性のあるものを選んで交換するのがリノベーションで、そのことによって丈夫さや快適さをプラスして家のもつ元々の寿命を延ばす役割を果たすことが出来ます。
長く暮らせる家を目的に家づくりをするのであれば、リフォームよりもリノベーションを行い、建材や設備機器の質を向上したり、家の構造を丈夫にしたり、快適で使いやすい間取りにするなど、価値をプラスする方が、長持ちする家づくりが行えます。
■リノベーションにも種類がある!
長持ちする家にするためには、リフォームよりもリノベーションの方が効果的ですが、ひとえにリノベーションと言ってもその方法や種類は、目的や依頼する会社によっても異なるので注意が必要です。
とりあえず今の暮らしの問題点を解決するような部分的なリノベーションや、デザイン性を高めることを目的としたリノベーションなどが人気で、オーダーメイドで行えるリノベーションだからこそ、目的意識を持って行わなければ長持ちする家にするという目的が果たせないままリノベーションをすることもあり得ます。
長持ちする家にしたいと思うのであれば、使う素材や省エネ性能、使いやすい間取りにこだわったリノベーションを行う必要があります。そのため、リフォームだけではなくリノベーションが行える会社で、サステナブルな家づくり(持続可能な家づくり)や、メンテナンスして使い続けられる自然素材を使った家づくりなどに特化している会社に依頼することも重要です。
2.長持ちする家・長く暮らせる家にリノベーションするポイント
長く暮らすことを意識したリノベーションを行うことによって、家を長持ちさせることが可能です。具体的にどんな点を意識してリノベーションを行うと良いのかポイントをご紹介したいと思います。
■見栄えよりも住宅性能にこだわる
長く暮らしていく中で、家をお気に入りの空間にしておくことは重要です。そのため、好みのデザインやテイストでコーディネートすることや、飽きがこないデザインを選ぶことを意識するかもしれません。見た目が自分にとって心地良い空間は、愛着が湧き、長く住んでいきたい空間として大切に使うので、こだわるべき点です。しかし、見栄えだけにこだわるのではなく、目に見えない性能の部分にこだわることも、家そのものを長持ちさせるうえで重要です。
家の中心と言える構造部分や目に見えない断熱性や気密性、耐震性と言った、住宅の性能部分にこだわってリノベーションを行いましょう。そうするなら快適な空間に出来るだけではなく、湿気によるカビや腐食、地震による傾きや倒壊、室温を快適に保つために冷暖房機器を酷使するなど、家の劣化を早める原因となることを防げるので、家そのものの耐用年数を長くすることが可能です。
■可変な間取りを意識する
デザインや間取りにこだわってリノベーションしてしまうと、世代が変わった時に時代を反映したデザインで古さを感じたり、使い辛い間取りになったりすることがあります。デザインや間取りはシンプルに融通が利く、可変な状態にすることで、リフォームや簡単なリノベーションで暮らしやすさを維持できて何世代も長く暮らせる家になります。
例えば、リノベーションの際には、間仕切り壁を固定せずに可動出来るようにしたり、家具で緩く仕切ることが出来るようにしたりすることで、間取りが固定されず用途に合わせて広さを変更することが可能です。他にも、机や収納棚を固定式の造り付けにしてしまうと、部屋の用途が変わった時に使い辛く、リフォームが必要になるかもしれません。家具や棚も可動出来るようにしたり、様々な用途で使うことを想定したサイズや高さで作ったりすることで使い方の自由度があがり、年齢や家族構成に影響を受けにくく、暮らしに合わせやすい、長く暮らしやすい家にすることが可能です。
3. まとめ
大切な居場所、財産とも言える家は、長持ちして長く住める場所にしたいと思うものです。そのために定期的なリフォームは必要ですが、それ以上に長く住める家にリノベーションをすることが重要です。リノベーションを行う際には、長く住める家づくりを行うことを目的に素材や性能にこだわってリノベーションを行いましょう。その点にこだわり、プランニングが出来る、サステナブルな家づくりや自然素材を使ったリノベーションに特化した会社を選ぶことも大切です。また、可変な間取りを意識してリノベーションを行うことで、ライフスタイルの変化や世代交代にも対応しやすく長く住める家になります。
リノベーションの内容次第で、家の寿命が変わるので、快適に長く住むことを意識した住まいづくりを行うことを意識しましょう。