経済や社会でよく耳にするようになった『サステナブル』という言葉ですが、最近は家や暮らしにも用いられるようになっています。しかし、具体的にどんな家を指すのか分からない方は多いのではないでしょうか？大きなテーマのように感じるだけに、個人的にサステナブルな家にしたい、と思って新築したり、リノベーションをしたりする方は今のところそれほど多くないのが現実です。
しかし、サステナブルな住まいを目指すことは、住まいを良い環境にし、私たちの暮らしを快適にするうえで欠かせないテーマです。サステナブルな住まいとはどのようなもので、家づくりでどのように取り入れると良いのかご紹介したいと思います。
1.住まいもサステナブルに出来る！？
『サステナブル』という言葉は様々な分野で使われていますが、私たちの住まいにも当てはめられるのでしょうか？サステナブルな住まいとは何か、暮らしにどんなメリットがあるのか、ご説明したいと思います。
■サステナブルな住まいとは？
『サステナブル』という言葉は、「持続可能な」を意味しています。そのため、住まいに当てはめると、『持続可能な住まい』ということになります。
家などの建物を通して省エネルギー、省資源を図る目的もありますが、住まいの器である家、建物自体が単純に持続可能なものであるだけではなく、そこに住む人にとって快適で暮らしやすい住まいが持続的に続く住まいを指して用いられています。
また、家が建つ地域や街も含め環境や文化、伝統に調和して長く暮らせる持続可能な環境を整えることで、サステナブルな家ではなく、サステナブルな住まいにすることも出来ます。
新築であってもリフォームやリノベーションを通してでも、サステナブルな住まいづくりが行えます。
■サステナブルな住まいの何がいいの？
家がサステナブルだということは、快適に長く住むことが出来る住まいということです。お気に入りの場所で、お気に入りの家に何年も住むことが出来るだけではなく、世代が変わっても受け継ぐことの出来る家になります。また、建物としての価値が落ちにくいというメリットもあります。省エネ性能が高いため、光熱費など暮らしにかかる費用を抑えられるうえに、寿命の長い家は、長い目で見ると建築費用やリフォーム・リノベーション費用を抑えるうえでも効果的です。
さらに、地球温暖化を防止するなど環境に配慮した取り組みなので、地球に優しい家づくりに貢献できます。
2．サステナブルな家づくりを行うためのポイント
サステナブルな住まいは地球だけではなく、私たちの暮らしを快適にすることは分かりましたが、具体的にどのようにサステナブルな住まいを実現させることが出来るのでしょうか？サステナブルな家づくりを行ううえでのポイントをご紹介したいと思います。
■自然エネルギーを活用する！
地球が本来もつ良い部分を取り入れて活用することでサステナブルな住まいを造れます。そのためには、間取りや構造を意識しましょう。太陽光や自然風を取り入れるために家が建っている環境を意識して間取りを考える必要があります。
例えば最近は、防犯性や気密性を重視しすぎて開閉出来ないFIX窓が部屋の高い位置に１箇所だけという家が増えています。家の中から外の天気が分からないどころか、昼間でも太陽光が入らないために暗くて常に電気を点けていなければならなかったり、天気が良い日でも寒かったりして自然エネルギーを活用できない家になっているかもしれません。確かに防犯性や気密性は高いかもしれませんが、光熱費がかかる家になってしまいます。しかも、防犯性や気密性は窓やガラスの種類でカバーできる部分でもあります。
太陽の動きや風の流れに合わせた間取りや窓の位置にすることで、自然エネルギーを活用して快適かつ光熱費がかからない、環境にも優しい家にすることが出来ます。
■素材にこだわる！
自然エネルギーを活用できるような構造や間取りにしたとしても、それを最大限に活かせる建材で家を作らなければ、長く暮らすことが出来る、持続可能な住まいにはならず台無しです。そのため、家を造る素材にこだわりましょう。
サステナブルな住まいにするうえで素材においてもサステナブルなものを選ぶことが重要です。それを可能にするのは自然素材を使用することです。珪藻土や漆喰を塗った壁、無垢のフローリングを使った床材など自然素材は、調湿効果や蓄熱効果などの自然エネルギーを活用することが出来ます。また、適切なメンテナンスを施すことによって何年も何十年も使えるうえに風合いが出て美しさも増す素材です。
さらに将来、仮に家が必要無くなった時でも解体して廃棄する時も、自然に帰る素材なので地球に優しい、地球にとってサステナブルな素材とも言えます。
3. まとめ
持続可能なという意味があるサステナブルは経済や社会だけではなく、建物や住まいにも当てはめて実現させることが可能です。サステナブルな住まいは、長持ちする家というだけではなく、地域や街に合った家で、省エネ性能が高く快適で長く暮らせる環境を提供してくれます。自然エネルギーや自然素材を意識して家づくりを行うことで、家や暮らしにかかる費用を抑えつつも何世代にわたって住むことが出来る住まいになります。また、地球に優しい家づくりが行えます。
新築やリフォーム、リノベーションの際には、『サステナブルな住まい』をテーマに掲げて家づくりを行ってみてはいかがでしょうか？
