庭付きの家に憧れるという方は少なくないのではないでしょうか?最近は、同じ庭付きの家でも、『中庭』に惹かれる方が増えています。中庭のある家、というのが売りになっているモデルルームや、インテリア雑誌やSNSなどでも中庭のある家は、おしゃれな家の代名詞のように人気となっています。
それほど人気のある中庭のある家にするメリットは何でしょうか?また、リノベーションによって中庭付きの家にすることは出来るのでしょうか?
1.中庭付きの家にするメリットとは?
中庭のある家がおしゃれで人気ですが、そもそも、どんな間取りのことを指すのでしょうか?また、おしゃれさ以外のメリットについてもご紹介します。
■中庭って何?
ひと昔前までは、敷地に対して家の前に庭、家の裏に庭という配置が一般的でしたが、中庭は文字通り、家の中に庭がある間取りです。中にあると言っても、屋根付きではなく日の光が入る、雨のあたる空間です。
庭をぐるりと口の字型に家で囲む配置や、庭を中心にコの字型に家を配置した、一面だけオープンになる中庭、L字型の家と塀を組み合わせた中央に中庭を設けるなど、中庭のある家のカタチにもいくつかの種類があります。
■中庭のある家のメリット
●プライベートガーデンを楽しめる
コロナ禍で、外出が難しくなっている中で、中庭があると、家族だけでBBQやパーティーを楽しむことができ、アウトドアリビングの役割を果たしてくれます。小さな子どもを目の届く距離で、しかも外で遊ばせたいという場合にも良い環境です。
また、外に庭が面していないため、防犯の点でも効果的です。多くの場合、中庭を囲むように窓を配置するので、外に面した壁は窓を少なく小さなものだけで良いため、外部からの侵入を防げます。外から家の中が見えないので、洗濯物の干す内容や時間も気にせずに干せるというメリットもあります。
●都会の中のオアシス
周りをビル群に囲まれた都心の場合、庭や、大きな窓があっても、すぐに隣の建物の壁だったり、癒されるような景色ではなかったりするものです。周りの目も気になってゆっくり出来る空間でもないかもしれません。
しかし、中庭であれば自分の好きな植物を植えたり、ウッドデッキにベンチを置いて日光浴や星空を眺められる空間にしたりすることができるので、室内側から見える景色も、庭での居心地も都会のオアシスとなってくれます。周りの目も気にならない、カーテンを閉めておく必要もない開放的な家になります。
●室内が明るく広く感じる
中庭を配置する場所にもよりますが、家の真ん中、日のあたる場所に中庭を配置し、中庭を囲むように、他の部屋を配置することで、各部屋に光が入り、家全体が明るくなります。家の内側にある部屋でも一日中電気を付ける必要がなくなり、光熱費を抑えることが出来るかもしれません。
また、室内ではないものの、デッキなどで床の高さを室内と同じにすることで、ひと続きの部屋のようになり、視覚的に広く感じられます。しかも、中庭を囲む配置であれば、中庭に隣接する全ての部屋が広く感じられるというメリットがあります。また、部屋の窓をあけることで、風の抜ける換気の良い家になります。
2.中庭のある家にリノベする!
沢山のメリットがある中庭を、どのようにリノベーションによって作ることが出来るのでしょうか?
■中庭という部屋の配置を考える!
リノベーションの際には、室内側や家だけを考えて、庭を別にする、エクステリアは別にリフォームするということが多いですが、中庭を作る場合は、ひとつの部屋として配置するように、他の部屋と一緒に間取りを考えることで、使い勝手や見栄えの良い中庭付きの家にリノベーションすることが出来ます。
リノベーションによって間取りを大きく変えて、家の内側に中庭を作ることが出来ますが、庭を新たに確保することが難しい場合でも、今ある部屋を丸ごと減築して中庭に変えるということも出来ます。家族が成長し、使っていない部屋があれば、中庭にあてることが出来ないか、またリビングの一部を中庭に変えられないか検討してみることが出来るかもしれません。
また、一番日のあたる場所、太陽の光が入る場所はどこかを確認して、そこを中庭にすれば、中庭を通して、他の部屋にも光を入れることが出来ます。平面的に家の間取りを見るのではなく、日の入り方など、室内を立体的に見ながら中庭の場所を考えてみましょう。減築して中庭を作る場合は、屋根や壁など構造体、耐震などにも影響するので、プロの意見を仰ぐことも必要です。
■集合住宅でも中庭は出来る!?
中庭付きにリノベーションできるのは戸建ての特権と言えるかもしれません。しかし、マンションでもインナーテラスや土間を設けることで、同じような役割を期待出来ます。
もちろん、外壁部分は共有部分となるため、リノベーションやリフォームをすることは出来ません。また、家の真ん中に庭のような空間を設けても、太陽光を取り入れることは期待出来ないかもしれません。しかし、床をタイルなど土間仕上げにしたり、室内窓を設けたりして、他の部屋との差別化を図ることができ、アウトドアリビングとして使ったり、植物を育てたり、庭としての空間を実現出来ます。
3.まとめ
家の中が暗い、隣接する建物があって開放的に出来なかったり、周りの目が気になったりする家や、コロナ禍でも安心して日の光を浴びたり、子供達が遊べる環境が欲しいと思っていたりする方は、リノベーションによって中庭を設けてみるのはいかがでしょうか?集合住宅でも、おしゃれで便利な中庭のような空間を家の内側に作れないか、プロに相談することも出来ます。
リノベーションによって、中庭付きのおしゃれな家を目指してみてはいかがでしょうか?