外壁は雨や風から建物を守りますが、コーキングが劣化して隙間やひび割れがあると雨水が浸水して内部に大きなダメージを与えます。
コーキングとは
コーキングとは、隙間やひび割れに「コーキング剤」というパテ状の材料を充填し、隙間を埋めて処理します。コーキング剤には、使用される原料によってシリコン系やアクリル系といった種類があります。施工する場所や用途によって使用するコーキングが変わります。
コーキングは「シーリング」とも呼ばれることがあります。コーキングとシーリングの違いには諸説あり、利用する業者によって呼び名が違うことがあります。しかし、実際の現場ではどちらも同じ用途で使われることがほとんどです。したがって、この記事ではコーキングで統一いたします。
外壁コーキングの役割
外壁の隙間やひび割れから浸水した雨水は、壁の内部に入っている柱や断熱材を腐食させてカビやコケなどの原因となります。それらはシロアリといった害虫のエサとなり、建物に大きなダメージを与える事になります。
また、壁の間には断熱材が隙間なく充填されており、外気の変化に耐えられる気密性能を保っています。外壁に隙間やひび割れがあると十分な気密性能を発揮しません。
他にもコーキングには、外壁と外壁の緩衝材の役割もあります。建物は地震などの「揺れ」の影響を常に受けています。固い外壁同士が、緩衝材もなく取り付けられていると揺れによって割れてしまいます。コーキングにはその緩衝材としての役割もあり、一定間隔や角コーナーには必ず施されています。
このように、コーキングは建物にとって重要な役割を果たしています。
外壁コーキングの劣化
外環境の影響をずっと受けているとコーキングも劣化します。コーキングの原料にもよりますが、コーキングは5年から10年ほどで劣化が始まります。主な劣化は、コーキングのひび割れや剥がれです。
他にも、施工したコーキングが黒ずんでしまうという現象が起こります。これはコーキングに含まれる可塑剤(コーキングに柔軟性を持たせる材料)の影響によるもので「ブリード現象」と言います。
可塑剤の入ったコーキング材を使うと、変色や表面がベタベタして汚れやすくなり黒ずみます。この様な劣化現象がコーキングに起きると、次第に建物に影響を及ぼしていきます。
このような劣化現象が起きてしまったらメンテナンスが必要です。
外壁コーキングのメンテナンス
コーキングのメンテナンスには、次の2種類の方法があります。
・増し打ち
既存のコーキングの上から、新たにコーキングを充填して厚みを増す方法です。比較的早い段階の劣化にはこの方法で十分対応が可能です。
・打ち替え
既存のコーキングを全て剥ぎ取り、新しくコーキングを充填する方法です。新しくなるのでコーキングの性能も上がり、目地(コーキングを充填する溝)の底も確認できます。
どちらの方法にもメリットとデメリットが存在します。増し打ちは時間とコストがあまりかかりませんが、既存のコーキングの劣化が激しいとすぐ剥がれてしまいます。打ち替えでは、コーキングが新しくなり目地内部の確認もできますが、既存のコーキングをすべて剥がさなければならないので時間とコストがかかります。
また、コーキングの場所や位置によっては、増し打ちが妥当な場合や打ち替えが最善の場合があります。メリットデメリットだけで判断せずに専門業者の判断を取り入れましょう。
まとめ
コーキングの耐用年数は5年から10年ですが、場所や状況によってはすぐに劣化が始まる場合があります。コーキングの定期的な確認とメンテナンスは、外壁のお手入れの最初の一歩です。
培った技術と経験で、最適なアドバイスをいたします。
コーキングの劣化状況や確認をしたい場合には、ぜひ私たちにご連絡ください。