昭和の時代。多くの一戸建て住宅の屋根には、瓦が乗っている瓦屋根でした。しかし近年は瓦を使った屋根は少なくなり、代わりにスレートと呼ばれる屋根材を使った屋根が主流となっています。
また、金属屋根といえばトタン屋根を想像する方もいますが、今では金属屋根と言えばガルバニウム鋼板という屋根材が主流です。
ここでは、屋根に使われる代表的な屋根材について解説いたします。
梅雨の長雨やゲリラ豪雨。そして台風によって傷んだ屋根は、メンテナンスやリフォームが必要です。その前に、屋根材にはどんなものがあるのか、詳しく知っておくと今後も役に立つことでしょう。
◯瓦
日本で昔から使われてきた屋根材です。瓦には次の種類の瓦があります。
■粘土瓦
粘土質の土を成形し、高温で焼き上げて造られる瓦です。釉薬を塗って焼く釉薬瓦は、薬品がガラス質なので高温で焼き上げると艶のある質感になります。さまざまな色を出すことができるので、洋風建築やデザイン住宅でも多く利用されます。
一方、釉薬を塗らずに焼き上げる瓦は素地瓦と呼ばれ、「いぶし瓦」や「素焼き瓦」があります。いぶし瓦は焼き窯の中で燻されることで、銀色や黒色の独特な色あいの瓦になり、素焼き瓦は粘土そのものの素朴な色あいの瓦になります。
■セメント瓦・コンクリート瓦
セメント瓦は、セメントと砂と水を主原料に造られる瓦です。瓦に成形してから塗料を着色して造られています。コンクリート瓦は、原材料はセメント瓦と同じですが、表面に塗られる塗材が「着色スラリー」という塗材で、塗材の生産会社の名前をとってモニエル瓦とも呼ばれます。
◯化粧スレート
日本の一般的な住宅のほとんどが、屋根材に化粧スレートを利用しています。
セメントに繊維質の材料を混ぜ、薄い板状に加工したものに塗料を着色した屋根材です。カラーバリエーションが豊富で、住宅のデザインや雰囲気に合わせて選ぶことができます。重量も瓦に比べて軽いので、耐震性が高いのも特徴です。
天然石を薄く板状に加工して、屋根材や壁材として利用する「天然スレート」もあります。自然石そのものの風合いを生かした独特な建材ですが、高価なため日本ではほとんど普及していません。
◯ガルバリウム鋼板
金属屋根の中でも現在主流となっているのが、ガルバリウム鋼鈑を利用した金属屋根です。
ガルバリウム鋼鈑とは、鉄板を基にしてアルミニウム、亜鉛、シリコンを利用した鋼板で、アルミニウムの耐食性と亜鉛の防食作用により、錆びにくく長い耐久性を持った屋根材です。
鋼板なのでさまざまなカラーに塗り替えることができ、デザイン住宅などでは好んで利用されます。鋼板ですが耐熱性も高く、加工性も高いことからリフォームやリノベーションの際にも利用されることの多い建材です。
◯まとめ
日本の住宅の屋根には、今回ご紹介した瓦、スレート、ガルバリウム鋼鈑の屋根材を利用した屋根が多くあります。リフォームやメンテナンスをお考えのときには、屋根材の特徴を考え自宅にあった屋根材を検討すると良いでしょう。
屋根についてもっと詳しく知りたい方は、是非一度ご相談ください。