屋根は建物にとって大切な役割を担っています。長く安心して暮らしていくには屋根の定期的なメンテナンスが欠かせません。
最近はゲリラ豪雨や記録的な大雨が発生し、台風も大型で非常に強い勢力を保ったまま日本列島に上陸してきます。
屋根を守ることは建物全体を守ることに等しいといえます。この記事では、近年の大雨や巨大台風に備え、屋根のメンテナンスやリフォームについて解説していきます。屋根の定期的なメンテナンスやリフォームで、台風や大雨の災害から身を守ることにつながります。
屋根の種類によって定期的なメンテナンスを
屋根のメンテナンス時期は、屋根の材料に使われている「屋根材」の種類によって変わります。ここでは、一般的な住宅に利用されている屋根材の特徴と、メンテナンスの時期について解説します。
・瓦
和式住宅に利用される瓦には、セメント系と粘土系の瓦があります。セメント系はその名の通りセメントで作られて塗装が施されています。粘土系は粘土で瓦の形を作り、窯で焼いて仕上げたものです。
セメント瓦は塗装されているので、年数が経つと塗装が剥がれてきます。塗装が剥がれるとセメントが剥き出しになりひび割れを起こすので、10年から15年に1度は再塗装のメンテナンスが必要です。
粘土系には釉薬(ゆうやく)を塗って焼き上げる「陶器瓦」と、塗らずに焼き上げた「いぶし瓦」があります。メンテナンスの目安となる耐用年数は、陶器瓦は50年から100年。いぶし瓦は30年から50年と言われています。
・スレート
スレートは丈夫で加工しやすく、カラーバリエーションやデザインも豊富で一般住宅に最も多く利用されている屋根材です。主成分はセメントで作られており塗装が施されています。
スレートの耐用年数は約20年と言われていますが、スレートに施された塗装がその前に劣化します。塗装が劣化すると雨や紫外線からスレート自体を守れなくなるので、主原料のセメントにダメージがかかり一気に劣化が進みます。
スレート屋根は10年に1度、再塗装のメンテナンスを行うことをお勧めします。
・ ガルバリウム鋼板
ガルバリウム鋼板は、アルミニウム、亜鉛、シリコンといった素材で作られたアルミ亜鉛合金めっき鋼板です。軽くてサビにくく加工のしやすい屋根材です。
耐熱性や耐久性も高く、壁材にも利用される事からデザイン性の高い住宅によく利用されています。ガルバリウム鋼板の耐用年数は約30年から40年といわれますが、海沿いの立地条件では耐用年数はもっと低くなります。
また、キズが付くと塗装が剥がれてそこからサビが起きることもあります。ガルバリウム鋼板は、施工後10年から15年程経過したら再塗装をお勧めします。
耐用年数にかかわらず、建物の立っている環境によってメンテナンス期間は変わってきます。屋根に異変や異常を感じた時には専門のリフォーム業者に相談しましょう。
屋根のリフォーム
屋根のリフォームでは、現在の屋根の状態に応じて2つの工法でリフォームを行うことができます。
・葺き替え工法
既存の屋根材を取り除き、新しい屋根材に葺き替える工事です。屋根材も変更できる上に、防水シートの張替えや屋根の下地の状況も確認できます。解体、補修、復旧と手間や費用がかかりますが、屋根が新築同様に生まれ変わるので、性能や耐久性が上がり家を長持ちさせます。
また屋根が変わることで、建物の外観も変わってリフレッシュできます。屋根材にはさまざまな種類があるので、色やデザインだけでなく性能や耐久性など好みに合わせて選ぶことができます。
・カバー工法
スレート屋根やガルバリウム鋼板屋根は、新たに屋根材を重ねて張ることが可能です。葺き替え工事とは違い、初めに解体する手間もかからないので時間と費用がかからないのがメリットです。
また、屋根材を重ねることで断熱性や防音性が高くなります。しかし、屋根下地の確認ができないので下地の腐食や防水シートの破れがあった場合に、雨水が入り込んで劣化が進行していくことがあります。その結果、屋根を全部はがして下地を補修しなくてはならず、時間とコストがより多くかかってしまう場合もあります。
まとめ
屋材の寿命は使われる屋根材によって変わります。スレート材やガルバリウム鋼板の屋根材は20年から30年。瓦の寿命は50年から100年以上といわれています。しかし、場所や環境によってその差はさまざまなので、10年から15年に1度は専門業者によるメンテナンスをおすすめします。
屋根のリフォームでは、古い住宅では葺き替え工事。比較的新しい住宅ではカバー工法での屋根リフォームが良いでしょう。屋根は建物にとって重要な部分なので、メンテナンスやリフォームを検討の際には、必ず専門のリフォーム業者に相談しましょう。
ご興味のある方は先ずお気軽にご相談ください、