屋根の周りには、屋根から流れて来た雨水を受け止めて地面に排水する「雨樋」が取付けられています。上部にあるので目につきにくくあまり目立たない設備ですが、建物に取って大変重要な役割を果しています。
ここでは、雨樋の役割と基本的な部品について解説しています。そして最後に、雨樋のメンテナンスについて解説していきます。
雨樋とは?その役割について
もしも雨樋が建物に無かったら、屋根に降った雨水はどうなってしまうでしょうか?屋根に降った雨は、屋根を流れてそのまま地面に落ちてきます。大した事は無いと思うかもしれませんが、実はこの落ちてきた雨水が、建物に大きな被害を与えます。
3メートル近い高さから地面に落ちてきた雨水は、地面に跳ね返って建物の外壁に雨の降っている間ずっと当たり続けます。もしもひび割れなどがある時には、雨水が外壁内部に入り込み腐食やシロアリの原因になります。
また、地面に落ち続けた雨水が排水できずに建物の地盤を不安定にし、建物の基礎にもひび割れといった被害をもたらす事もあります。
水滴は長年落ち続けると岩に穴を開けることがあります。雨水がただ落ちてくるだけの事ですが、雨樋が無ければ建物にこのような被害を受ける可能性があるのです。
雨樋の種類
雨樋にはさまざまな形状があって役割があります。雨樋はその役割を果す事で、雨水から建物を守っています。
・軒樋(のきどい)
軒樋は、屋根の軒先の周りに設置されている部品で、屋根から流れてきた雨水を受け止めて排水先へ流す役割を持った設備です。切妻の屋根には屋根の2辺に、寄棟の屋根では屋根の4辺に設置されています。
・集水器(しゅうすいき)
軒樋から流れてきた雨水を竪樋に流すために、いったん雨水を集める設備です。集水枡(しゅうすいます)とも言います。雨量が多い時にはたくさんの雨水が一気に集まってくるので、集まる器が大きめに作られているのが特徴です。
・呼び樋(よびどい)
集水器から建物の壁面に取り付けられている竪樋に雨水を流すため、「エルボ」という曲がった配管で繋いで集水器から竪樋に向かって繋がっている設備です。
・竪樋(たてどい)
雨水を地面や排水溝に排水するための設備です。主に筒状になった設備が建物の壁面に金具によって取り付けられています。また、玄関先の庇などでは鎖状の物を集水器から下して排水させる、鎖樋(くさりとい)という設備もあります。
雨樋の修理は大変危険
雨樋の修理はDIYで可能、といった案内やホームページを見ることがあります。しかし、雨樋は高所に設置されているので大変危険な作業です。高所作業とは「労働安全衛生法」では、2m以上の高さで行う作業のことをいいます。
雨樋は2m以上に設置されているので高所作業です。しかも雨樋は長く、1人では取り扱いや設置作業も大変です。専門業者でも高所での作業は決して1人では行わず、補助者や見張人を立て、しっかりと足場を組んだ上で命綱を付けて作業を行います。
1mの高さでも脚立から落ちればケガをします。打ち所が悪ければ重傷を負う事もあります。雨樋の修理は無理をせずに専門の業者に任せましょう。
雨樋のメンテナンスは可能?
個人でできるメンテナンスとしては「目視」と「清掃」です。まずは雨どいを見て、ゴミのつまりや割れがないか確認します。また、雨樋に枯葉などの飛散物が詰まっている時には、無理をせずに取り除ける範囲で取り除きましょう。
雨樋のメンテナンスは、高所作業になるので個人では大変危険です。目視で割れやゴミの詰まり、または留め金の外れや破損を発見した時には、専門の業者にメンテナンスを依頼しましょう。
まとめ
雨樋は建物にとって重要な役割を持った設備です。特に台風や長雨のシーズン前にはメンテナンスを行って、雨樋が正常に機能するようにしておきましょう。
雨樋の補修やメンテナンスは高所作業になってしまいます。ちょっとした作業だからと油断をせずに、専門業者に作業を依頼しましょう。
ご興味のある方は先ずお気軽にご相談ください、