壁の材料に使われる漆喰(しっくい)をご存知ですか?
日本では飛鳥時代から使われてきた建築材料で、神社仏閣の建築や古墳の壁画に利用されてきました。もちろん建築建材としても戦前までは多く利用されていましたが、戦後急速に衰退していきました。
漆喰は古い建材ですが機能的にとても優れた建材であり、今の私達の生活において十分に役に立つ優秀な建材として注目されています。
漆喰とはなにか?
漆喰は、石灰石を焼いて粉にしたものに水を入れた「消石灰」に、糊や「スサ」という麻や藁から取れる植物繊維をつなぎとして混ぜて練ったものです。これを建物の壁の下地に、コテを使って塗り込んで漆喰の白い壁ができあがります。
また、つなぎに使う糊やスサを変えて、ガラス繊維や樹脂を利用して強度や性能を高めたりすることもできます。他にも油を混ぜることで防水効果を高めた漆喰もあります。
漆喰の主原料の消石灰の魅力
主原料である消石灰は「水酸化カルシウム」という物質で、強いアルカリ性の性質を持っています。消石灰は酸性化した土壌の改良や水質浄化にも使われる他に、工場の煙突から出る煙の有害物質などの除去にも利用されています。
消石灰を顕微鏡で見てみると、無数の小さな穴(孔)が開いています。このような物質を「多孔性物質」といい、この小さな穴は空気を通すことができます。
空気が通るときに、消石灰は二酸化炭素を吸収することで元の石灰石に戻ろうとする働きが起こります。それにより、空気中の余分な湿度を調節することができる上に、アルカリ性の抗菌と殺菌の作用により消臭効果も発揮します。
私達に有益な性質を持つ消石灰。それを主原料とする漆喰は天然成分なので、シックハウス症候群の原因となる「有機化合物」も出すことはありません。また、消石灰は無機質のため燃えず、漆喰は不燃性の建築材料として利用することもできます。
漆喰が微生物の繁殖を抑制する
消石灰の強いアルカリ性は、ウイルスや微生物などの繁殖を抑制し不活性化する効果があります。そして、インフルエンザウイルスは強いアルカリ性に弱いという弱点があります。
鳥インフルエンザや牛などに発生する口蹄疫が起きたときに、農場の周りに大量の消石灰が撒かれます。これはウイルスや微生物の殺菌や繁殖抑制のために撒かれるもので、大量に撒いても環境にはほとんど影響を与えないからです。
安全で安心な漆喰の壁
このように、消石灰を主原料とする漆喰は自然環境にも優しく、湿度を調整しながら微生物の発生を抑え空気を綺麗にします。さらに耐火性もあるので、安心して建物に使用することができます。
そしてインフルエンザウイルスには、漆喰の主原料である消石灰が有効です。その他の微生物に対しても強いアルカリ成分で繁殖を抑えることできるので、小さなお子様やお年寄りまた、お身体に心配のある方などがいるご家庭には漆喰はお勧めの壁材になります。
施工費用はビニールクロスを貼った場合に比べると割高ではありますが、
ご自身で施工される等、コストを下げる方法はあります。
ご興味のある方は、お気軽にお問合せ下さい。