快適な住まいのリフォームを考える時、断熱リフォームは必ず考えておきたいリフォームです。しかし、断熱リフォームは一般の方にはなかなか想像しづらいものだと思います。
まず断熱リフォームとは、現在の建物の断熱性能を上げるリフォームの事です。一般的な住宅で主に行われる工事は「外張り断熱」と「充填断熱」の2つの工事が行われます。さらに断熱性を高めるため、窓の断熱工事や床下の断熱工事も選択肢としてあります。
◯外張り断熱
外張り断熱とは、断熱性能の高い外壁建材を使って建物の柱の外側から包み込むように断熱をする工事です。工法には、既存の外壁の上から断熱性能の高い建材を貼る重ね張りする工法と、既存の外壁を断熱性能の高い外壁に貼り替える工法があります。
外張り断熱には断熱のメリットの他にも、工事を行っている時に内部には影響を及ぼさないメリットがあります。また重ね張りの場合には、壁厚が分厚くなるので防音性と耐震性が高くなる効果もあります。
◯充填断熱
充填断熱は、壁の中の柱と柱の間に断熱材を詰め込む工法で、一般住宅で最も利用されている断熱工法です。リフォームの場合には、これまでの断熱材よりも性能の高い断熱材に交換することになります。
グラスウールなどの繊維系断熱材の他にも、発泡スチロール系や原材料が新聞紙やダンボールから作られる木質系の断熱材を壁の中に充填します。断熱効果の他にも、壁内なので断熱材の劣化が少ないことと、普及しているので施工費が比較的安いメリットがあります。
◯その他の断熱リフォームの種類
住宅の壁面を断熱する他にも、窓ガラスを交換する断熱リフォームや床下に断熱材を施す断熱リフォームがあります。
窓ガラスに関する断熱リフォーム
窓は住宅の中でも温度を通しやすい場所になります。窓ガラスを「ペアガラス」に交換することで、住宅の断熱性能を高めることができます。ペアガラスは2枚のガラス板で1つの窓となっており、ガラスの隙間の「中空層」が熱を伝わりにくくしています。
また、窓の内側に新たに窓を取り続ける「二重窓」にすることで、中空層が生まれて断熱効果を高めます。2枚のガラス窓で外側と内側の急激な温度差がなくなるので、室内の結露も抑えることができます。
床下に断熱材を敷く断熱リフォーム
床の断熱には2種類あり、床板の下に断熱材を敷く「床断熱」と建物の基礎(床下のコンクリート)に断熱材を施工する「基礎断熱」があります。床断熱は床板のすぐ真下が断熱されるので断熱効果も高いですが、隙間なく丁寧に断熱材と床板を敷き詰める必要があります。
また、基礎断熱も断熱効果は高いですが床下が密閉空間になってしまうので、コンクリートから出る湿気によって断熱材や基礎の腐食が起きやすくなります。そのため、床下の24時間換気システムを導入するといった対策もセットで考えなくてはなりません。
断熱リフォームは冬の寒さだけでなく、夏の暑さを室内に伝えにくくします。住まいが一年中快適な空間になるので、省エネや節約にも繋がります。