外気からの熱や冷気を伝わりにくくすることで、室内を季節に応じて快適な温度に保つのが断熱です。住まいの断熱にはいくつかの方法がありますが、今回は外張り断熱(工法)のメリットとデメリットについてご説明します。
◯まず外張り断熱とは
外張断熱を簡単に言えば、断熱性の高い断熱材で柱の外側から建物を包んで熱を伝わりにくくし、部屋を快適にする断熱の方法です。外壁はもちろん、屋根や床、住宅の基礎まで断熱材を貼るので、隙間がなく気密性が高いのも特徴です。
外張り断熱の工法には湿式工法と乾式工法とがあり、建物の場所や造りに応じて使い分けて施工します。
◯外張り断熱のメリット
気密性も高いので断熱効果が高く、省エネで節約にもなる。
外張断熱は、柱の外側に断熱材を貼り付けます。貼付け後には隙間を気密テープで塞いで気密性を高めます。そのため外の熱や冷気を持った空気も室内に入らないので、余計な暖房や冷房を使わずに省エネと節約が可能です。
壁内に断熱材を入れないので壁内結露が起きず、柱の腐食やカビの発生を防ぐ
柱と柱の間にはグラスウールなどの断熱材を入れないので、外側と内側の温度差によって生じる結露(壁内結露)が起きにくい状態になっています。壁内結露で壁内の柱が腐食すると、シロアリ発生の原因にもなります。
◯外張断熱のデメリット
他の断熱工法に比べて施工費が割高
外張り断熱は、グラスウール等を壁内に詰めて断熱する「充填断熱」に比べるとあまり普及しておらず、そのために材料費が少々割高に設定されています。他の断熱材の材料費に比べて、約1割から2割程度高くなっています。
意匠性の高い建物には不向き
デザインに優れた建物では、そのデザインに合わせて断熱材を張って施工しなくてはなりません。実際に施工する職人の技術の問題や、施工期間の延長によって費用も余計にかかってしまう場合もあります。
外張り断熱はその他の断熱工事に比べると、家全体を包み込んでいるのでより断熱効果が高いのが特徴です。住宅を建てるときやリフォームの際にも、断熱のメリットとデメリットをよく比較して検討してみると良いでしょう。
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