最近聞く不動産用語に「リノベーション」という言葉があります。意味的にはどちらも「建物の改装」となりますが、改装を表す言葉には別に「リフォーム」もあります。
この「リノベーション」と「リフォーム」、どの様に違うのでしょうか。
リノベーションとリフォームの違いとは
意味が混同されているケースが見受けられますが、リノベーションとリフォーム、少しニュアンスが違います。どのレベルまで戻すかが違うのです。
建物には「価値」があります。そして、この「価値」により家賃や取引額が変わります。当然ながら価値の高い方が値段が高くなります。
さて、古くなった建物は改装の必要がありますが、2つの改装が考えられます。と言うのは「元来の価値以上にする改装」と「元来の価値に戻す改装」があるのです。
例えば、中古の賃貸マンションの場合、価値を元来以上のレベルに上げれば査定も良くなり、家賃のアップも狙えます。しかし、元来のレベルに留めるのであれば、家賃の回復は可能ですが、アップまでは狙えません。これが価値の向上と回復の違いであり、「リノベーション」と「リフォーム」の違いなのです。
リノベーションの具体例
ここでリノベーションの具体例を挙げてみます。
リノベーションは価値向上です。そのため、「今までよりもランクアップした設備の設置」が該当します。ですから、床材を合板ベースの物から天然木ベースの物に変えたり、普通の壁紙から漆喰や珪藻土の塗り壁に変えたりする改装となります。
一方、合板ベースの床材を同等クラスの床に交換する場合、あるいは壁紙の交換に留める場合はリノベーションでは無く、リフォームとなります。
改装する上での注意点
リノベーションをすれば不動産の価値は確かに上がりますが、リノベーションにも制限があります。代表的な制限は法規に干渉する物です。
注意が必要な改装の代表的な物としては、「増築」が挙げられます。と言うのも、土地には建ぺい率や容積率が決まっているため、無制限には出来ないのです。
この様に、リノベーションにも制限があります。よく確認して計画をしましょう。