家は高額な買い物なので、少しでもお得に賢く家を建てたいものです。見積りを交渉したり、建材や設備を見直して変えたりして、ある程度安くすることは出来るかもしれませんが、価格を下げることで、大切な家の品質や耐震性が下がってしまい後悔の残るマイホームになってしまっては本末転倒です。そんな問題を解決すべく、賢く新築するうえで活用出来るのは、補助金や助成金です。しかも、補助金が出る項目は、国が自然環境や私たちの暮らしにとって価値あるもの、推進したいと思っている分野でもあるので、マイホームに採用するうえでも、付加的価値や効果が期待できるものが少なくありません。
新築を建てる人には、どんな補助金や助成金を活用することが出来るのか、ご紹介したいと思います。
1.新築に使える補助金&助成金とは?
補助金や助成金には様々な種類や条件がありますが、ここでは2024年度(5月時点)の新築で活用出来るものをご紹介します。
■子育てエコホーム支援事業
エネルギー価格などの物価高騰の影響を受けやすい子育て世代や若者夫婦世帯に、高い省エネ性能を有する新築住宅の取得を支援する事業です。
注文住宅の新築や新築分譲住宅の購入に対して、長期優良住宅の場合は1住戸につき100万円、ZEH水準住宅に対しては1住戸につき80万円の上限で補助されます。なお、市街調整区域、かつ土砂災害警戒区域もしくは浸水想定区域にある場合は、上限が異なります。
■ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)支援事業
年間の一次エネルギー消費量が正味でゼロとなることを目指したZEH(ゼッチ)、またはZEHよりさらに省エネで、設備のより効果的な運用等により太陽光発電等の自家消費拡大を目指したZEH(ZEH+)となる戸建住宅を新たに新築する、または新築建売住宅を購入した方が対象の支援事業です。
ZEH・Nearly ZEH*・ZEH Orientedの場合は最大55万円/戸、ZEH+・Nearly ZEH+*の場合は100万円/戸を受け取ることが出来ます。蓄電システムや燃料電池、太陽光利用温水システムといった設備を導入する場合は、さらに補助額が加算されます。
■給湯省エネ2024事業
家庭のエネルギー消費で大きな役割を占める給湯分野に関して、高効率給湯器の導入に対し支援が行われます。戸建、共同住宅等に関わらず、新築注文住宅や新築分譲住宅に設置する場合に補助されます。
ヒートポンプ給湯機(エコキュート)は8万円/台、電気ヒートポンプ・ガス瞬間式併用型給湯機(ハイブリッド給湯機は10万円/台、家庭用燃料電池(エネファーム)は18万円/台が補助基本額で、性能に対してさらに補助額が加算されます。
■LCCM住宅整備推進事業
2050年カーボンニュートラルの実現に向け、住宅の脱炭素化を推進するために先導的な脱炭素化住宅であるLCCM住宅の整備に対して補助が行われます。
設計費や建設工事等における補助対象工事の掛かり増し費用の、合計額の1/2(上限140万円/戸)が補助されます。
戸建住宅の新築が対象で、強化外皮基準を満たすことや再生可能エネルギーの導入、住宅の立地が「土砂災害特別警戒区域」に該当しないことなどを含めた、9つ全ての要件を満たしている必要があります。
2.補助金&助成金を賢く確実に活用するには?
新築する時に補助金や助成金があることを知っていても、手続きを忘れたりタイミングを間違ったりして、しっかりと活用できなければ何の意味もありません。賢く確実に活用するためのポイントをご紹介したいと思います。
■補助金対象の項目に取り組んでいる会社に依頼するのが近道
補助金や助成金の申し込みや手続きは、基本的に施主個人ではなく、ハウスメーカーや工務店によって行われます。子育てエコホーム支援事業の交付など、補助金によっては登録事業者が行わなければいけないものも多数あります。そのため、工務店やハウスメーカーを選ぶ際には、活用したい補助金や助成金に関して、登録事業者なのか、手続きの流れを理解し、スムーズに行えるかどうかを確認しましょう。
補助金や助成金の情報を常に把握して登録などを行っている会社であれば、いつまでに申請をして、工事をした方が良いのかなどに従事して教えてくれるので、締め切りや上限に達して受けられない、などのタイミングを逃すリスクを避けられます。
省エネやZEHなどに取り組んでいる工務店であれば特に、補助金を利用し、かつ品質の高い家づくりが行えます。ZEHに関しては、登録されたZEHビルダーやプランナーのハウスメーカーや工務店である必要があります。だからこそ、手続きが行えるかどうかだけではなく、その項目に特化していたり、積極的に取り組んでいたりしている工務店に依頼することが、賢く満足のいくマイホームを手に入れる近道です。
■補助金&助成金スケージュールも把握しておく!
新築を建てる場合も、購入する場合も、契約が進むとお金の動きが激しくなります。加えて、税金や引っ越し、家具の購入など様々なことにお金がかかるので、いつ契約や手続きを行い、いつお金が必要になるか、いつ補助金や助成金を受け取ることが出来るのか、把握しきれなくなってしまうかもしれません。補助金があるから大丈夫、とオプションを増やしたり家具を買いすぎたりして予算オーバーになってしまうケースもあります。
補助金や助成金がいくら活用できるのか、活用することでどの部分の費用を抑え、オプションに回すのか、今後のメンテナンスやリフォーム費に取り分けるのかなど、マイホームにかけるマネープランとセットで考えることで、資産を賢く用いることが出来ます。
また、手続き等はハウスメーカーや工務店が行ってくれるとはいえ、入金されるのは施主なので、時期を把握しておきましょう。いくつかの補助金や助成金を利用する場合は特に、手続きの時期や受け取る時期などを工程表などと一緒に書き出してスケージュール管理やお金の動きの予定表などを明確にすることで、予算内で賢くマイホームを手に入れるうえで役に立ちます。
3. まとめ
2024年度は、注文住宅の新築や新築分譲住宅の購入に対して、子育てエコホーム支援事業・ZEH支援事業・給湯省エネ2024事業・LCCM住宅整備推進事業の4つの事業より、要件を満たすことで補助金や助成金を受けることが出来ます。賢く確実に活用して新築を手に入れるために、省エネやZEHに特化している工務店や、登録事業者になっている工務店を選ぶようにしましょう。また、資産を管理して予算内でマイホームをもつために、補助金や助成金込みでスケージュールやマネープランを立てることも大切です。
お得に賢く新築するために、補助金や助成金を積極的に活用しましょう!