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近年、頻繁に起こる大地震に、どこに住んでいても地震に備えた家づくりを意識しなければいけないことを実感させられている方は少なくありません。大地震ではなくても、震度3以下の地震や、余震が続くと、少なからず家は小さなダメージを受け続けています。そのため、地震に備えた家にするためには、日ごろの家の状態を知っておくこと、特に地震後の状態を確認しておくことが重要です。
そこで今回は、安心で安全な家にするために、地震後に家のどこを確認すべきなのか、地震に備えるために何が出来るのかをご紹介したいと思います。
1.地震後に確認すべき家のコト
大きな揺れの後に、体感できるほど家が傾いたり、倒壊したりしていなくても、実は影響を受けている場合があります。また、小さな揺れや、頻繁に起こる余震でも少しずつ被害が出ることもあるので家の状態を確認しておくことが重要です。さらに、地震以外にも、交通量が激しく常に振動があるところや台風などの災害に合った後も、同様の箇所を確認することで家が傷ついているサインを見逃さずにすみます。どこをチェックすると良いのかご説明したいと思います。
■外まわりの状態を見て回ろう!
家の外まわりの確認ポイントは以下の通りです。
●庭やエントランスなど建物の周辺にぬかるんでいるところはないか?
地面がぬかるんでいたり、雨が降ったわけでもないのに湿っていたりする場合は、地中で水道管などが破裂している場合があります。
●外壁や基礎にひび割れや膨らみはないか?
ひび割れや膨らみが出来ているということは、建物が傾いたり、構造体に損傷があったりする可能性があります。
●瓦がズレていないか?
振動によって瓦がズレていると、雨漏りの原因になってしまいます。
■家の中にも兆候が出る!
地震の被害に合っていると、家の中にも下記のような兆候が出ます。
●ドアや窓が動き辛くなっていないか?
ドアや窓の動きが悪くなっているのであれば、揺れによって枠が歪んでいる可能性があります。さらに、一か所だけではなく、地震後に数か所のドアや窓の開閉がし辛くなっているのであれば、家自体が変形している可能性があります。
●内壁にヒビが入っていないか?
外壁同様、壁面にヒビが入っている場合は、構造体が傾いている可能性があります。
●床が湿っぽい場所はないか?
水回りや設備機器周辺を中心に、床に湿っぽい場所がある場合は、床下の排水管などが破損して水漏れが起きている可能性があります。地震後からカビが発生したり、カビの臭いがしたりしている場合も要注意です。
上記のようなサインが出ているのであれば、被害が深刻化する前に、リフォーム会社などのプロに相談して、修繕や補修、耐震補強を行いましょう。
2.安全・安心な家に地震前から備えよう!
地震後すぐに家の状態をチェックするだけではなく、日ごろから地震に備えた家を意識しておくことが大切です。どんな点を意識して備えると良いのかご紹介したいと思います。
■日ごろのメンテナンスで安心な家づくり
安全で安心な家にするために、まずは家の基礎となる構造に耐震性があるか、耐震診断を行い、基準を満たしていない場合は耐震補強を行いましょう。そのうえで、日ごろからメンテナンスを行うことで家を良い状態に保っておくことが重要です。
人間の体も若いうちはケガをし辛かったり、治癒力がありますが、老化するとちょっとしたケガで動けなくなったり、後遺症が残ったりします。しかし、日ごろから健康に気を配り、筋力をつけたり、栄養のある食事をしたりしていると、病気やケガをしても影響を受けにくくなるものです。同様に、家も築年数が古いうえにメンテナンスがされていないと、地震による小さな揺れでも、蓄積されて倒壊を招くほどの大惨事になることさえあるので注意が必要です。日ごろから、家をメンテナンスして、キレイな状態にしておくことで地震の影響を最小限に留めることが可能です。
例えば、屋根や外壁の塗装を定期的に行うことで、雨漏りによる構造部分の腐食を防ぎ、丈夫な基礎や柱を保つことが出来ます。また、庭木の剪定を行うことや雨樋や門扉、雨戸の劣化を確認しておくこと、で、地震の揺れで家を傷つける要因を軽減することも出来ます。必要なメンテナンスやリフォームをすることは地震に備えるうえでも効果的なのです。
■耐震性の高い家選びをする!
地震後に外壁や家の中を確認することは、今住んでいる家だけではなく、物件探しを行っている方にとっても重要なポイントです。ヒビやズレが生じていないか、頻繁に起こる地震の影響を受けていないかどうかを確認しながら内見をすることが重要です。新築であっても、購入前に地震が起きた場合は、確認しておきましょう。
さらに、中古物件であれば目視だけではなく、今までに耐震診断が行われ、基準を満たしていない場合は耐震補強が行われているかどうかの確認も行いましょう。築年数が古くなればなるほど、基本的には物件価格は安くなります。しかし、安くお得に思える物件でも耐震性能が低く、耐震リフォームが必要になれば、リフォーム費用がかかってしまい、結局お得ではなくなってしまうかもしれません。
ただし、中古物件を購入して間取りを変えるようなリノベーションを行う場合は、それに伴って耐震性を確保するために補強が必要となる場合もあります。間取りと耐震性の両方の費用を考慮に入れたうえで物件探しを行うことで、安全な家を賢く手に入れることが出来ます。
また、そもそも地震に強い構造であるツーバイフォー工法で建てられた物件を優先的に探すことで耐震性の高い家を見つけやすくなります。耐震補強が行われているかどうかだけではなく、どんな工法で建てられているかにも注目しましょう。
3. まとめ
大地震に耐えたと思えるような家でも、また頻繁に起こる小さな揺れは問題ないと思っている場合でも、家は少なからずダメージを受けています。そのため、定期的に家の状態を確認することは重要です。特に、地震後は外壁や内壁にヒビや膨らみがないか、地面や床に湿っているところはないか、ドアや窓の開閉はスムーズかを確認しましょう。異常がある場合は、構造体が地震の影響を受けているサインかもしれません。プロに相談して早めにリフォームを行いましょう。また、日ごろから外壁塗装をしたり、庭木の剪定をしたり、家のメンテナンスを行うことで、家を健康な状態に保ち地震の被害を最小限に留められるようにしておくことも大事です。また、中古物件を探す場合には、耐震補強が行われている家や、地震に強いツーバイフォー工法で建てられた家を探すことで、より安全で安心な家を見つけられます。
地震大国の日本で、我が家を安全な住まいにするために、家の状態を定期的にチェックして必要なメンテナンスを惜しまないようにしましょう。